STORY1
豊かな海の中に浮かぶ、美しい竜宮城で平和に暮らす海の竜王と乙姫たち。その一方、別の海域では、海洋汚染が原因のプラスチックでできた新しい王国が誕生していた。そこにはゴミとして捨てられた物と希望を失った生き物が混ざり合ったモンスターが集まり、その指導者のプラスチック王が、人間や他の生き物に対して恨みいっぱいの目を向けていた。
ある日、プラスチック王は手下を連れて大群で、竜宮城を手に入れるべく突然の攻撃を始める。海の竜王は捕えられ、間一髪のところで逃げ出した乙姫は亀に変身し、プラスチックモンスターに追われながらも、岸に向かう。そのとき、海辺に近づいたひとりの男の子・タロウに救われるのだった。
STORY2
プラスチック王と手下のプラスチックモンスターに襲われた竜宮城。そこで囚われの身となっている海の竜王と家族、竜宮に暮らす人々を救い、竜宮城を取り戻したい乙姫は、タロウとともに冒険の旅に出る。季節ごとに変わる激しい海流に守られた竜宮城に戻るには、まず玉手箱と呼ばれる時空トラベルが可能となる伝説の道具を見つけなければならない。
福岡の地にまつわる昔話によると、海を渡った島にある「いにしえの神殿」に玉手箱が祀られているという。急いで島に向かった乙姫とタロウを捕まえようと、追っ手のプラスチックモンスターが迫る。無事に玉手箱を手に入れた2人は、玉手箱が生み出すワープトンネルを抜けて、夏の福岡の街に時空を超えてたどり着いた。
STORY3
玉手箱のワープトンネルをくぐり抜けて、福岡の街にたどり着いた乙姫とタロウ。つかの間、楽しく安堵のひとときが訪れる。これから先どうやって竜宮城を救うかの作戦を考えながら、賑わいをみせる川沿いの屋台へ。博多ラーメンに焼き鳥、博多うどん……。初めて口にする人間界の食べ物の美味しさに箸が止まらない乙姫。
その底なしの食べっぷりに、ただただ驚くタロウだった。晩夏の風を感じながら2人は、タロウの故郷の街を散策する。神社の祭に立ち寄った後、海に落ちる夕日が目の前に広がるとっておきの場所へ。その背後には、いつしかプラスチックモンスターたちが迫ってきていた。追い詰められた2人は、とうとう玉手箱と一緒に捕まってしまう。
STORY4
プラスチックモンスターたちに捕まった乙姫とタロウは、プラスチック王の城に連れて行かれる。がらくたに囲まれた玉座に座るプラスチック王の前に引き出された2人は、玉手箱を取り上げられ、城の奥深くにある監獄に閉じ込められた。そこで出会ったのは、同じく囚われの身になっていた、兎の顔と龍の胴体を持つ伝説のいきもの、兎龍だった。
福岡姪浜に伝わるいいつたえ、助けてくれたお坊さんに恩返しをするため龍になった白うさぎの伝説で知られる兎龍は、荒れた海を鎮めて道を切り開く力を持っている。弱っている兎龍に、乙姫の持つ海のパワーをそそぎ、力を合わせて監獄を脱出する。目指すは、モンスターに支配された竜宮城。美しい城を取り戻すために物語はつづく。
STORY5
竜宮城にたどり着いた乙姫とタロウ。そこには、プラスチックモンスターたちに乗っ取られた、変わり果てた城の姿があった。竜王をはじめ、海の仲間を救いたいという強い思いを宿した乙姫を、タロウが後押しする。破壊された門や塔など、一見廃墟のようにみえた竜宮城だったが、乙姫の帰還に呼応するように、城はやがてもとの生き生きとした姿に変わっていく。
乙姫とタロウは魔法の魚たちと兎龍を従えて、プラスチック王との決戦に挑む。仲間たちと海のパワーを集めてプラスチック王を倒し、美しい城を取り戻すことに成功する。この勝利は、海の世界に真の女王が生まれたことを示す戦いともなった。救い出された竜王の笑顔の目には、光るものがあった。



































































